北海道教育大学 芸術・スポーツビジネス専攻教授 宇田川 耕一
CLASSIC INC.(渋谷区東 2-27-2 Est 205)という社名のユニークな企業には、筆者がクラシック音楽を研究対象としていることもあり、以前から注目していた。
その公式ホームページ(https://classic-inc.jp/)に2022年10月31日に以下のニュースが掲
載された。
縄文レストランに参加。料理提供を致しました。
岩手県一戸・御所野縄文公園にて2022年10月30日(日)に行われた、縄文時代から続く「
域内食」と「発酵食」をテーマにした「縄文レストラン」にCLASSIC INC.のシェフが参加し、料理提供を致しました。
「縄文レストラン」というのは一体何だろうか。シェフが参加したというが、実際に試
食が行われたのだろうか。そもそも縄文時代に「料理」があったのだろうか。
好奇心がどうにも抑えきれなくなり、2022年12月9日に同社を訪問しCEO萱場俊克氏に
インタビューした。
「縄文レストランに参加したきっかけは何だったのですか」
「お付き合いのある業者さんから縄文レストランのオファーがあり、ユネスコ世界遺産
である御所野縄文遺跡を視察しました。そこで、縄文時代に魚醤が使われていたことや、
従来は弥生時代からという通説もありましたが、実はすでに農耕が始まっていたらしいと
いうことを聞きました。」
「メニューはどのように考えたのですか」
「縄文レストランといっても想像するしかありません。文献で調べた食材だけでは土色
のメニューになってしまいます。そこで、魚醤があるなら発酵文化もあったはずだから、
今流行っている『発酵』をメインにしてはどうかと提案して、メニュー開発しました。」
「具体的にはどのようなメニューを提供したのですか」
「栗を良く食べていたらしいので栗粉のクレープ、川魚の燻製、現地のジャージー牛の
乳からフランス料理の『フロマージュ・ブラン』風のデザートなど、色合いも鮮やかなメ
ニューになりました。恵比寿のイタリアンレストランと銀座のフレンチバルのシェフ2名
を連れて行って、現地で調理しました。」
この創意工夫が功を奏し、大変好評で今年も開催予定であるという。
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